■日本手話通訳士協会 第3回 山梨会場 一泊研修会 参加報告■

(その1)

1.日程

1月31日(土)
13:30〜講義1「対人援助としての手話通訳実践」
                     講師;林 智樹 氏(金城学院大学教授)

15:30〜講義2「政見放送手話通訳における専門性」
                     講師;山田 京子 さん(日本手話通訳士協会理事)

18:00〜懇親会(甲府駅前「つぼ八」にて)
2月1日(日)
9:30〜12:00 2グループに分かれての実技研修
 (1)〔士協会非会員対象〕「対人援助としての手話通訳」
                     講師;小椋 英子 さん(日本手話通訳士協会会長)

 (2)〔手話通訳士対象〕「政見放送に関わる手話通訳」
                     講師;山田 京子 さん(日本手話通訳士協会理事)

2.参加状況

 全体では50名弱の参加者だったそうです。1日目は全員で2つの講義を聴き、2日目は手話通訳士とそれ以外の方に別れて実技研修を受けました。手話通訳士グループは、7名(東京1名、山梨5名?、木下)でしたから決して多いとは言えませんでしたが、一般の方の中には遠く宮城県や群馬県から参加された方もいらっしゃいましたし(茨城県からも私を含め3名参加)、先日30周年記念大会に出席した東京都日野市の藤野さんからも「木下さんですか?」と声をかけられました。
 また、地元山梨県聴覚障害者協会の事務局長のMさんともう1名ろうの女性も参加され、「大変勉強になった」と話されていました。

 講師の林先生も、「これまでの会場では10名程度の寂しい講座だったが今日はこんなに大勢で驚いた。」とおっしゃってました。

 山梨の小椋会長とも夜の懇親会でお話ししたのですが、手話通訳士の研修会といっても扱うテーマは、広く手話を学ぶ人や聴覚障害者自身にも関わる重要な内容ですので、大勢の仲間と共に学ぶことは大変有意義だと感じました。その上で2日目に手話通訳士と一般に別れて実技編をやったことで専門性を高める研修もでき良かったと思いました。

3.講座内容−講義1「対人援助としての手話通訳」−林智樹さん

 「手話通訳とは、”対人援助”なんだろうか?」というのが、林先生が最初に提起されたテーマです。「”対人サービス”といった方が適切なんじゃないの?」とも言われました。
■手話通訳には、<社会福祉の中の一つの仕事(ソーシャルワーク)としての”対人援助”>と<言語通訳>という2つの機能・社会的役割がある。従って、場面によってこの2つの機能を選択すると共に、どちらにも対応できる技術・能力を身につける必要がある、とのお話しでした。
 現在の手話通訳者は、on the jobトレーニング(実践を通した訓練)が中心だが、1990年代後半から手話通訳活動についての理論化が進んできているので、そうした手話通訳理論についてもキチンと学ぶ必要がある。
※林さんお奨めの参考図書「手話通訳の理論と実践」(2000円/全日ろう連)
 第1部 手話通訳論〜手話通訳者養成のために〜
 第1章 手話通訳学習の理論と実際
  1.はじめに−手話通訳学習の現状
   (1)手話通訳者養成の歩みと現状
   (2)手話通訳学習理論の構築の必要性
   (3)「手話通訳者」を目指す人々の手話通訳学習の要求と課題
  2.手話通訳技術学習とは−その理論と方法
   (1)手話通訳技術とは
   (2)専門技術体系としての手話通訳技術
  3.手話通訳学習の展開−手話通訳者養成コースの構成
   (1)なにをどのように学ぶのか−手話通訳者養成コースの構成と目標
   (2)テキスト、教材の構成と目標
   (3)学習者の心がまえと学習条件

 
第2章 手話通訳学習(トレーニング)
  1.表現技術
   (1)これまでの評価方法 31
   (2)通訳技術の7つのチェックポイントに至った経過
   (3)7ポイントとは
  2.翻訳技術
   (1)翻訳技術とは
   (2)聞こえない人の背景把握
   (3)日本語の表現力
  3.手話通訳技術トレーニング
   (1)手話通訳技術トレーニングとは
   (2)手話通訳技術トレーニングの力法と目的
  4.手話通訳実践技術
   (1)手話通訳実践技術とは
  5.手話通訳実践技術トレーニング
 第3章 聴覚障害者の暮らしとその周辺
  1.聴覚障害とは
   (1)みな同じではない
   (2)国連の定義を受けて
  2.聴覚障害者の教育と発達
   (1)3パターンの意味するもの
   (2)教育環境とその変化
  3.職域の広がり
   (1)職業の変遷
   (2)経験の積重ねと生涯教育保障
   (3)同僚間の情報を
  4.その暮らしと情報保障
   (1)ノーマライゼーション
   (2)福祉の近代化
  5.聴覚障害者問題と手話通訳
   (1)社会的問題として
   (2)現代ろうあ者問題の構図


 第4章 手話通訳理念と業務
  1.手話通訳論の歩み
   (1)「手話のできる福祉司」の設置要求から「ろうあ者の権利を守る手話通訳」
   (2)ろう運動の高まりと手話通訳関連事業の開始
   (3)ろうあ者の権利を守る手話通訳者から社会的自由の獲得への協力者へ
  2.手話通訳者の業務
   (1)「手話通訳業務指針作成委員会報告(1987年)」にまとめられた職務
   (2)手話通訳への社会的要請から見る手話通訳者の業務実態
   (3)聴覚障害者の層の違いから来る手話通訳業務

 
第5章 手話通訳と手話通訳実践
  1.手話通訳実践の実際
   (1)手話通訳実践について
   (2)手話通訳実践の視点
   (3)手話通訳実践の過程
  2.手話通訳労働の発展を願って
   (1)手話通訳労働の専門性について
   (2)手話通訳者にもとめられる能力
   (3)地域の通訳力と登録手話通訳者の役割

(第1部 執筆担当者
  第1章 林 智樹(三重短期大学生活科学科助教授)
  第2章 市川恵美子(全国手話通訳問題研究会)
  第3章 伊東雋祐(全国手話通訳問題研究会)
  第4章 石原茂樹(日本手話通訳士協会)
  第5章 近藤幸一(社会福祉法人・京都聴覚言語障害者福祉協会)


 第2部 手話通訳理論の発展に向けて
  
第1章 手話言語学 
               加藤三保子(豊橋技術科学大学工学部助教授)
               本名信行(青山学院大学国際政治経済学部教授)
  1.言語とは何か
  2.手話とはどんな言語か
   (1)日本手話の単語のなりたち
   (2)写像性と恣意性
   (3)手話言語と音声言語の表現単位
  3.手話語彙の拡大
   (1)手話語彙の改良、新造に関する基本方針
   (2)「新しい手話」の造語法
   (3)造語上の問題点
  4.ことぱの多様性
   (1)ことばの変種
   (2)標準語
  5.手話と非言語コミュニケーション
   (1)手話と顔の表情
   (2)姿勢
  6.まとめ


 
第2章 実感的手話通訳論
        松本晶行(財団法人全日本聾唖連盟事務局長)
  はじめに
  1.手話通訳の理念と手話通訳者のあり方
   (1)聴覚障害者のコミュニケーションとその背景
   (2)情報を伝える
   (3)通訳領域を広げる
   (4)矛盾を越えて
   (5)日本人・日本語・国語
  2.手話通訳の構造と通訳技術
   (1)メッセージの意図をつかむ
   (2)表現
   (3)手話通訳者は人なり
  3.手話通訳実践にあたって
   (1)事前準備
   (2)問い返しの判断と方法
   (3)手話表現の型・事後と整理

 
第3章 手話通訳教授法の開発
     −手話通訳者養成コースにおける指導法・評価法の検討を通じて
        林智樹(三重短期大学生活科学科助教授)
  1.手話通訳者養成コースにおける指導技術
   (1)養成講座における講師体制
   (2)実技講師の役割と指導技術
   (3)実技講師の資質と講師養成
  2.手話通訳者養成コースにおける評価法
   (1)受講者選定のための評価(受講者選定試験)
   (2)養成講座指導における受講者評価
   (3)養成講座終了時における到達度評価
  3.発展的な学習法と指導法
   (1)手活通訳者養成コースの成果と課題
   (2)より発展的な手話通訳者(士)養成の展開に向けて

 第4章 世界の手話通訳者養成の現状
        植村英晴(日本社会事業大学社会事業研究所助教授)
  1.はじめに
  2.世界各国の手話通訳者養成
   (1)アメリカ合衆国
   (2)ベルギー
   (3)デンマーク
   (4)イギリス
   (5)フィンランド
   (6)フランス
   (7)ドイツ
   (8)ギリシャ
   (9)アイルランド
   (10)イタリア
   (11)スペイン
   (12)スイス
   (13)スウェーデン
  3.まとめ
■今回の林先生のお話は、ソーシャルワークとしての手話通訳についての理論的な整理が中心だった。手話通訳者の社会的役割としては、「聴覚障害者の社会参加、社会的自立のための福祉労働・活動である」として、<手話通訳者は、コミュニケーション保障を通じた人間的発達・自立・社会参加の実現に向けた活動に聴覚障害者と共に取り組む>必要があると話されました。
 そして、その結果<このような社会的役割遂行は、同時に手話通訳者の身分保障や労働条件、手話通訳環境の改善、社会的認識を高めることにつながる>とのことでした。
※林さんお奨めの参考図書「みんなでめざそう よりよい手話通訳」(200円/全日ろう連・全通研)
もくじ

はじめに………………………………………………
A心がけたい基本事項………………………………
 @手話通訳を依頼する方々に……………………
 Aろうあ者の方々に………………………………
 B手話通訳者の方々に……………………………
 C手話通訳者の健康管理…………………………
Bいろいろな場面での手話適訳……………………
 医療関係の場面……………………………………
 会議の場面…………………………………………
 集会の場面…………………………………………
 教育関係の場面……………………………………
 電話をかけるとき…………………………………
C手話通訳のよりよい環境を求めて………………
 手話通訳関係者の職場環境整備…………………
 手話通訳関係者の働きやすい条件整備…………








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昔このパンフレットは「よりパン」と呼ばれていましたが、僕は「撚れたパンツ」というイメージで好きになれませんでした。
■全通研でも今、支援費制度におけるコミュニケーション調査をとりまとめ中だが、触手話(しょくしゅわ)を必要とする盲ろう者や、手話を十分に使えない重複の聴覚障害者や未就学のろう者に対する通訳あるいはコミュニケーション保障については、その養成カリキュラムが未確立である。情報提供能力をもっともっと高め、専門的な通訳者を養成していかなければならない、と話された。
■さらには、「社会福祉の仕事としての手話通訳」という視点から、ソーシャルワーカーの機能と役割として次のようなことをご紹介いただいた。
・仲介 ・教育(仲間・周りへの情報提供)
・調整 ・保護(自己決定・エンパワメント)
・代弁(あくまでも本人が主体) ・組織
・連携(例・社会福祉協議会との連携) ・ケース(ケア)マネジメント
 (その人に使えるものを集めてくる)
・処遇(相談・施設介護) ・社会変革
・治療
 林先生は、黒板に三重の円を描かれ、一番中の円に「手話通訳技術(言語通訳)」、二番目の円に「手話通訳実践技術(倫理、仕事の仕方、社会的責任)」、そして一番外の円に「市民・社会人としての姿勢」と説明を書き加えられ、これが『手話通訳者としての知識・技術と姿勢』だと話された。
■そして、「手話通訳の成否は、手話通訳対象者および手話通訳者の主体的条件・客体的条件により規定される」として、「これらの条件を改善していくことが、よりよいコミュニケーションを実現することにつながる」とのお話しがあった。
主体的条件 客体的条件
手話通訳対象者 ・言語能力や心理的状況などから規定されるコミュニケーション能力 ・物理的条件;音、光、距離、障害物

・心理的条件;ストレス、理解・不理解

・社会的条件;社会体制、法制度、社会構造
手話通訳者 ・専門的技術・能力
・知識・経験
■最後に、「手話通訳」を介して行われる行為とは何なのか?についてお話しがありました。
 手話通訳とは、単に言葉の置き換えにとどまらない、人間相互、人間と社会の連帯・協同、そして社会の発展に貢献するもの
 手話通訳といった場合、”伝達手段”といった限られたコミュニケーション保障にだけ関心を払うのではなく、その”社会的役割”についても常に考慮する必要がある。
 そして、手話通訳場面においてコミュニケーションが成立するために必要な能力には、次の4つ項目があるとのお話しでした。
1.日本語と手話の通訳・翻訳能力 ・第一言語である日本語、第二言語である手話に精通していること
・2言語を通訳・翻訳する能力を有していること
2.メッセージの理解能力 ・手話通訳場面で展開されようとしているコミュニケーション活動の目的・内容を把握・理解していること
・その場面でやりとりされる言葉について理解していること
3.コミュニケーション過程の調整能力 ・手話通訳場面において話し手・聞き手の言語能力に不一致が起きたときや緊張やストレス等の発生によって、コミュニケーションの成立が阻害される状況となったとき、手話通訳者は「コミュニケーションの交通整理」としての調整能力を発揮する
・この場合の視点は、特にコミュニケーションの目的からのズレやコミュニケーション関係の不平等を調整・改善するところにある
4.手話通訳環境の調整能力 ・手話通訳面に存在する物理的・心理的・社会的な障害のなかで、最大限(コミュニケーションの成立を目指し、これらの障害を軽減したり、改善するための調整能力を要する
◆木下所感◆
 正直な感想として「1回聞いたんじゃさっぱりワカラン!」講義でした。小椋会長も「3回聞いてやっと分かってきた」と言われました。
 このレポートは、当日書いた自分のノートを見ながら作成しているのですが、「結局、何が言いたかったんだろう?」と感じながら延々パソコンに向かっておりました。「どういう風にまとめたらいいんだろう?」と悩んで、当日林さんがくれたレジュメを読み直して、やっと次のようなことではないかなと思えてきました。
 林さんが言いたかったのは、「手話通訳士の皆さん、手話通訳士として身につけておかなければならない知識や理論はこのようにたくさんあるのです。もっともっと専門性を高めるために、『手話通訳論』を一からキチンと勉強し直してください!」ということだったのではないでしょうか。
 講義の中でも話されてましたが、「1990年代の終わりから、手話通訳の世界でも、ようやく『手話通訳論』が整理されてきた。」とのこと。
 それは2時間講演を聞いて簡単に分かっちゃうような易しいものじゃなく、1年とか2年かけてじっくり学ぶくらい内容が広く、かつ深いものなんだということ、そして現在の「手話通訳士(者)」と呼ばれている人たちに欠けているのは、そうした『手話通訳』というものに関する基礎教養とか土台になる知識や理論なんだということをおっしゃっていたのではないかと感じたのです。
 講義の中で金城学院大学の雨甲斐 朱美(あまがい あけみ)さんのことに何度も触れられましたが、きっと林先生は「雨甲斐さんのような一流の日英通訳者でさえ、毎日必死で勉強している。通訳とはそうした日常的な勉強なしには成り立たない職業なのだ。手話通訳者の皆さんももっと勉強が必要なんですよ。皆さんが知らずに、あるいはあいまいなままに過ごしてきた『手話通訳概論』にも、こんなにも多くのテーマがあるのです。もっと勉強しましょう!」と私たちに訴えかけていらっしゃったのでしょう。
 金城学院大学の同僚である雨甲斐 朱美(あまがい あけみ)先生は、日英の音声語通訳者で、平成15年4月から通訳者養成を担当されている。先日、名古屋の手話通訳者の研修会でお話しを聞いたが、「通訳者は、膨大な知識の修養が必要だ。毎日、本を読み知識を増やす努力が不可欠。それを2年間続けてやっとボランティア通訳ができる程度。」との厳しい指摘があった。
 林さんのレジュメのタイトルは『手話通訳の理論と技術』になってました。まさにこの日のお話しは『手話通訳概論』だったのです。そのレジュメはどういう構成になっていたかというと、
1.手話通訳対象と社会的条件の理解 (1)通訳対象(者)の理解 ・二つの対象
・対象者の属性
・対象者の数と質
・通訳内容と場面
(2)手話通訳と対象者を取り巻く社会的条件 ・社会的条件
・主体的条件と客体的条件
2.手話通訳者の社会的役割 (1)手話通訳者の社会的役割 ・手話通訳の理念
(2)コミュニケーション保障に関する社会的役割 ・通訳を介して行われる行為
・コミュニケーション成立のために必要な4つの能力
(3)社会参加や社会的自立の実現に向けた社会的役割
(4)社会福祉労働としての役割 ・社会福祉労働とは
・手話通訳労働の社会的領域と労働
3.手話通訳技術 (1)手話通訳技術の専門性 ・表現技術の7ポイント
・5つの専門性
 (1)コミュニケーション技術
 (2)共感
 (3)倫理
 (4)自己知覚
 (5)危機管理
(2)手話通訳過程 ・準備過程
・実施過程
・評価過程
4.手話通訳技術のトレーニング方法
 これらの項目を見て「こんなこと全て承知している」と言い切れる手話通訳士(者)がいったい何人いるでしょう。少なくとも僕は、「手話通訳という行為をもう一度原点に戻って勉強し直さなければならないな」と感じました。
 レジュメの最後には、様々な資料が資料1から資料8まで添付されていました。林さんは「あれこれ付けておきましたから、是非地元に帰って勉強に使ってください」とおっしゃってました。
 これらの資料を使いこなせる力量は、まだ僕にはありませんが、こうしたテーマについてもっと体系的に勉強を積み上げていく必要を今回の研修で強く感じました。
資料1 (1)手話通訳技術とは
手話通訳士倫理綱領
(2)専門技術としての手話通訳技術
手話通訳過程
手話通訳技術の7ポイント
資料2 手話通訳過程と実践形態・機能
手話通訳過程・場面の諸条件
手話通訳実践力のポイント
手話通訳の評価基準表
資料3 手話通訳過程と実践形態・機能(その2)
手話通訳者の業務分類
手話通訳派遣コーディネート業務
手話通訳者養成コースの構成
資料4 手話通訳トレーニングの構成
専門知識・技能を有する手話通訳者養成の階梯
トレーニング課題
学習課題
資料5 手話通訳実践における専門性
 (1)コミュニケーション過程への専門的介入
 (2)通訳対象者との共感に基づく共同作業
 (3)手話通訳者の倫理観・価値観
 (4)手話通訳者の自己知覚
 (5)手話通訳者の心理的危機管理
資料6 手話通訳の評価基準表(その2)
資料7 主な論者の「手話通訳論」
手話通訳に関する理論構築のためのスケッチ
資料8 社会福祉援助技術の理論と実際
 今回の講義は「概論」でしたが、ここで提起された「各論」について、勉強する機会があればいいなと感じています。日本手話通訳士協会では、今後の研修会について「単位履修」方式なども検討される予定であるとのお話しを聞きました。手話通訳士として必要な知識や理論を、例えば10項目に分け、大学の単位のように4年間で10単位全部受講する、というようなシステムです。(単位数・期間は木下が勝手に考えた数字です。)
 手話通訳士の力量を高めるためには、こうした基礎的な学習と共に、分野別の選択科目みたいな講座の検討がなされたら良いなと思います。例えば、次の講義である政見放送とか、法廷や刑事事件における手話通訳、あるいは介護現場での手話通訳のあり方とか…。
 これまでは「手話通訳士の研修会なんて畏れ多くて」と思って敬遠してきましたが、現任研修は「士」としての義務でもあることを痛感しました。これからはもっと積極的に勉強していかなければと考えています。

4.講座内容−講義2「政見放送手話通訳における専門性」−山田京子さん

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5.第2日目 技術講座「政見放送手話通訳実践技術」−山田京子さん

【制作中】

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