イベント報告

井上孝治作品展「あの頃(1959年・沖縄)」

1999年11月2日(火)〜11月28日(日)午前10時〜午後5時
JCIIビル1階フォトサロン(入場無料、毎週月曜休館)
【千代田区一番町25番地JCIIビル TEL03−3261−0300】

 「音のない記憶」を読んで、チョー感動。土曜になるのを待って、早速行って来ました。
 とっても素敵な写真でした。
 場所がちょっとわかりにくいのと、平日は5時までしかやってなくて、サラリーマンには辛いところですが、あと1週間で終わってしまう。ゼッタイ見る価値あります。
 私は、感動のあまり(金がないというのに)写真集も買ってきてしまいましたが、会場で見た写真の迫力にはやはり遠く及びません。フルサイズというのか、よく知りませんが、大きく引き延ばした写真が一枚一枚丁寧に飾られていますので、写真全体をしっかり見ることができます。写真集の場合はどうしても真ん中がページの間になってしまう場合もありますし、1ページだと写真が小さくなってしまう。それに印刷がちょっと暗めで残念でした。

JCIIビルの地図

 「あの頃(1959年・沖縄)」は、来年、サミット(summit 先進国首脳会談)が沖縄で開かれることにちなんで企画されたようです。このJCIIフォトサロンでは、1997年にも井上孝治作品展「思い出の街」を企画されており、今回が2度目のようでした。1回目のパンフレットも買ってきてしまいましたが(700円)とっても良いのです、これが。
 フォトサロンだけあってパンフレットも素晴らしい。印刷もとてもよく出来ている。元の写真集からの抜粋なので写真は当然重複しているわけですが、それでも欲しくなってしまいました。
 今回のパンフレットは表紙がキャッチボールをする子供たち、そして裏表紙が守礼門下の枯木なんですが、占領下においても明るく生きる子供たちの顔と戦争の爪痕深い枯木のコントラストが印象的なパンフレットです。
 写真には一枚一枚解説が書き添えてあり、その暖かなコメントも素敵でした。土曜日のお昼で人も少なく、ゆっくり見ることができラッキーでした。

 写真っていいですよね。その一瞬を切り取る緊張感があります。井上さんの写真はどれも躍動感があり、今にも子供たちが動き出しそうな楽しさを感じました。
 井上さんの作品自体も、もちろんとっても素敵ですが、「音のない記憶」を読むと撮影された背景や井上さんの置かれていた状況、時代の様子(特に当時アメリカの占領下だった沖縄の社会背景)などが分かって、より一層作品を味わうことができるように思います。
 原作+写真展の両方を堪能でき、本当にラッキーでした。

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