活字情報

積読くずし6

タイトル 月刊ボランティアNo351(12月号)
今号の主な内容  特集;よきフォロワーのいない市民団体はない!?
 この人に;遠藤順子さん(「夫の宿題」作者)
発行機関 大阪ボランティア協会
 電話06−6357−5741
 FAX06−6358−2892
 E−Mail JDM01157@nifty.ne.jp
 郵便振替 00930−8−40608
ジャンル ボランティア
発行サイクル 月刊
読了日 1999年12月?日(?)
購読料 年間2000円

おすすめポイント

 「ボランティア」をめぐる様々な議論や考え方を学ぶには一番の情報源。
 例えば、347号の「V時評」のコーナーでは、「「サービス」と「ボランティア」の間」と題して<英語圏ではコミュニティの成員の義務としての「サービス」とあくまでも自発的な「ボランティア」をキチンと区別して使っているのに、日本ではこれを同じものと誤解している>という問題について論じている。
 また、NPO問題についての情報も豊富に用意されており、読むたびに「たましろの郷支援活動もいつかNPO団体として組織的な基盤を整備できれば良いのだが」と考えさせられる。
 そのほか、毎号の特集が知見を広める上でたいへん参考になるばかりでなく、書籍やインターネット情報まで、わずか30数ページの冊子に情報満載の「月V」である。
 東京ではなかなか目にすることができないが、一度定期購読して見る価値は十分にある。

<今号の読みどころ>

V時評
「動員」脱却の戦略

  編集委員 早瀬 昇

 結論だけ書いては、早瀬さんに申し訳ないけど・・・「結局、『動員』の弊害を克服するには、プログラム自体の魅力、面白さを高めるしかないだろう。」とのこと。全く同感。
 『施設班』の参加者の少なさはそもそも「まるで知られていない」こともあるけど、企画準備になかなか時間をかけられず、未熟なプログラムと広報の不十分さを乗り越えられないことに原因あるのだ。分かっちゃいるけど・・・。


特集
よきフォロワーのいない市民団体は危ない!?

 リードのところをそのままパクリます。
「皆さんは、『フォロワーシップ』という言葉を聞かれたことがあるだろうか。
 アメリカの経営学者であるロバート・ケリーの『指導力革命−リーダーシップからフォロワーシップへ』(プレジデント社)という本がある。これは、21世紀の組織の盛衰を分かつものは、『フォロワーシップ』のありようだとする。例えば、『カリスマ』や『独裁』等、従来の『リーダーシップ神話』に対する我々のとらわれをなくし、組織内での関係は階級的なものではなく、リーダーをフォロワーは相互補完的で互換性のある役割として認識を新たにすることを提唱している。
 本書において、リーダーとフォロワーに関する注目すべき事実として、以下の三点をあげている。
 1.ほとんどの組織において、その成功に対するリーダーの平均貢献度は20%に過ぎない。
 2.フォロワーは残りの80%の鍵を握っている。
 3.ほとんどの人は、その肩書きやサラリーとは無関係に、リーダーとしてより、フォロワーとして長く働く。
 経営、組織マネジメントについての研究や著書は、企業向けが大半であり、以上の調査対象も、ある程度の規模に達している企業組織であると推測される。しかし、この『フォロワーシップ』という考え方は、企業や官僚組織、NPOなどのセクターの種別、あるいは組織規模に関わらず、今後のマネジメントを考える際に非常に有効なキーワードではないだろうか。
 そこで、今号ではこの『フォロワーシップ』というキーワードに触発され、実際のNPOのフォロワー(と編集部が判断した人)の実態を知るべく取材を決行。外からは見えないNPOの舞台裏をのぞき、今後のマネジメントを考える上でのヒントを探り出してみたい。」

 この特集は僕にとってとても示唆に富んだ内容だった。手話サークルのあり方について、ひの手話サークル・世田谷のたんぽぽを通じていろいろ考え、また経験をさせてもらってきたけれど、結局は「リーダーシップ」という問題に行き着くんではないかと思うことが多かった。
 また、会社の労働組合においても「判断力」「決断力」「実行力」は全て「リーダーシップ」によるものではないかと感じることが多い。
 「フォロワーシップ」=相互補完的で互換性のある役割とするこの特集の意図は、目に鱗じゃないけど、新鮮に感じられた。また、リーダーの平均貢献度は20%に過ぎないというのも耳に痛い言葉である。
 これからの活動を考えていく上で、いつも心掛けていきたいポイントとなる特集だ。


NPO推進センターレポート こちら8391気象台
  このパソコンを何とかして!

「・・・大阪ボランティア協会に寄せられた、コンピューター関係のボランティアを求めるNPOの声である。
 NPOの情報化が遅れがちであることはよく指摘されるが、実際どんなことに困っているのだろう。・・・・
 では、ボランティアによる情報化支援の状況はどうか。・・・・
 いずれにせよ、NPO自らが、NPOの情報化支援を目的とした組織的な活動を展開する必要があるのではないだろうか。・・・NPOに必要なサービスを我々自身が作り出す時期に、そろそろ差し掛かっているように思われる。」

 確かに、かたつむりのボラなんかに行っても、ボラさんの配置表が全て「手書き」だったりしてビックリする。また、資金プロジェクトで連絡をとるにもFAX中心。「エクセル使えばそんな一覧表、簡単にできちゃうし、修正だってすぐにできるのになぁ」と思ったり、「メールなら一発で連絡取れるのに、う〜んかったるい」と感じることが多い。 

 僕の子供の小学校には、親のパソコン・クラブがあって、学校の教室のネットワークづくりをそのメンバーである親たちが大いに支援している。休みに学校へ出掛けていって実際にケーブルを引いたり、パソコンのメンテナンスなどやっちゃう。とても面白い。僕は、全然詳しくないのでいつも「見学」しているだけだけど、こうした「出掛けていくための連絡」もメーリングリストで日常的に行っている。親たちが自分の空いた時間で連絡を取り合うことができるし、パソコンについての質問なども詳しいメンバーが答えてくださる。
 もっともっと情報化について我々自身の力を育てていくことが、市民運動にとってより大きな「武器」を得ることにつながると思う。


トピックスNEWSぱらぼら
  自主夜間中学 麦豆教室  主宰 岩井好子

 参考図書「オモニの歌」岩井好子著、600円、ちくま文庫。


現場は語る 〜コーディネーターの立場から〜
  人知れない病気で苦しむ人たちに対してできること
     −パニックディスオーダー患者からの依頼より−

「この病気の顕著な症状は発作であり、パニック発作、不安発作ともいわれる。この発作は、”思い当たる理由がないのに、突然激しい不安に駆られる、今にも死にそうな感じがしてくる、自分で自分がコントロールできなくなる状態になり、それとともに動悸やふるえが起こったり、居ても立ってもいられない状態になる”というもの。
 発作のピークは数分で、その後時間が経つと、元の状態に戻る。しかし、その後も繰り返し起きることがあり、発作がもう一度起きるのではないかと常に不安になる”予期不安”という状態になり、次第に発作が起きたり起きそうな場所には行けなくなる”広場恐怖症”という状態に陥ってしまう。
 結果的に、誰か付き添わないと発作が心配で外出ができなくなるという構図ができあがるわけだ。その上、そういった症状が医師も含めて周囲に理解されにくいため、うつ状態も引き起こすという二次的症状があるとのことであった。
 発作の原因はまだ不明であるが、決して『性格』や『気の持ちよう』が起こしているのではなく、れっきとした病気であることに間違いはない。」

 月ボラの良いところは、こうした新しい問題をいち早く知ることができることだ。「パニックディスオーダー」なんて病気で苦しんでいる方がいるなんてご存じでしたか?
 聴覚障害やろう重複も知らなければ、それで済んでしまう。知ることからお互いの理解や助け合いが始まる。僕ら一人一人が社会に対し、広く目を見開いて、様々な問題を「知る」ことから社会は動き変わっていくのだと思う。


私の本棚

 編集委員が選んだ「今年、この本」

  ●村で病気とたたかう(岩波新書・若月俊一著)

  ●障害をもつ人々の人権 第2巻 社会参加と機会の平等(有斐閣・2800円)

  ●被差別部落の青春(講談社・角岡伸彦著・1700円)


行け行け!市民のウェブ工房

 番外編・ボランティア活動に有効活用!お気に入りインデックス VOL2

<道路情報>
(財)日本道路交通情報センター
http://www.dspnet.co.jp/~jartic/main.html
<地域地図>
Mapion
http://www.mapion.co.jp/
MapFan http://www.mapfan.com/mfwtop.shtml
<天気予報>
WEATHER EYE
http://www.crc.co.jp/CRC/fg/f3/index.html
<電話>
タウンページ
http://itp.ne.jp/
<時刻表>
時刻表リンク
http://www.jikoku.com/index.html
<なんでものページ>
便利ページ
http://www.cyberoz.net/city/nagatuma/p01.htm
<辞書・文例・リンク集>
統合版 英辞郎on the web
http://www.alc.co.jp/eijiro/
和英英和辞典 http://205.163.136.51/EJEdic/indexj.htm
ことわざ辞典 http://www.sf.airnet.ne.jp/swata/swkoto.html
文例集 http://www.aimcom.co.jp/newstool/bunrei.html
文例集 http://www.tomono.co.jp/bunrei/index.html
マナー(社会人の心得) http://www.lifeserver.co.jp/dousuru/index.htm

 せたつむりには、こうした便利リンクがないので、大いに参考にしてください。


この人に 故・遠藤周作夫人「夫の宿題」作者 遠藤順子さん

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