木のつぶやき(デイリー版)

(このアニメーションはBasketball maniaさんの作品です。)

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2004年6月29日(火)
手話サークルと参政権

1.久しぶりに手話サークルたんぽぽ(世田谷区)に参加した。ネットで見たら今日は講演会で、白川富子さんが「たんぽぽ創設時の思い出」というテーマでお話しをするとのこと。僕もそのころの話しはあまり聞いたことがなかったので是非と思い三軒茶屋に足を運んだ。大勢の新しいメンバーを前にしての話しで、白川さんも多少遠慮されたのか、あまり細かい話しは伺えなかったが、これまで話しに聞いていた創立当時の出来事に、実際の固有名詞が加わって、何か生き生きと記憶が蘇ってくるような錯覚を覚えた。当然、僕はその頃、まだ手話に出会っていなかったので、「記憶」であるはずはないのだけれど、10年誌や20年誌で何度も読んだ「たんぽぽ創設当時のお話し」を改めて生き証人からお話しを伺うことができ、とても良かった。是非、記録をキチンと残したいものだ。歴史に学ぶというのは、どのような運動にとっても大切な振り返りだと思う。過去を検証し、その経験を踏まえて前に進もうとするからこそ、新しい未来を築けるのだと思う。

2.参議院選挙が公示された。25日に選挙区候補者政見放送の日程が決まったそうです。すでに最初の29日の放送は終わっていて、ガックシです。
 参院選茨城選挙区立候補者の政見放送の放送開始日時は次のとおり。
【NHK総合テレビ】
6月29日午前6時半と午後1時5分
【テレビ朝日】
7月2日午前5時
→すでに29日のNHKは見落としてしまった。7月2日は必ず見なければ…。
【NHKラジオ第1】
6月29日午前7時20分と午後0時半
【茨城放送】
6月27日午前9時半
7月2日午後10時20分
7月6日午後10時20分(以上、毎日新聞より)

3.手話サークルが成熟化するに伴って、サークルでも若い世代と年配者とのバランスに心がけなければならなくなっていると思う。今日、たんぽぽに参加したら以前からのメンバーTさんが4月に退会したとのこと。この件については、改めてキチンと考えてみたい。

2004年6月27日(日)
無事、講義終わりました。

 通訳者養成の講義、何とか終えることができました。今回は、何とか事前に原稿を書き上げた上で話しをしたいと考えていたのが、かろうじて当日の朝できあがりました。それだけでも自分を誉めてやりたい気分です。だいたい26,000字、400字詰め原稿用紙にして65ページの量になりました。これを約2時間で話したので、10分間で5枚、1分間に200字程度のスピードだったことになります。
 手話通訳は士仲間のSさんと、おはよう茨城でご一緒したNさんでした。お二人ともよく知っている方だったので、大変やりやすかったです。今回は、講演者として手話通訳者の立場のお二人から「事前の打合せ」を申し込まれました。いつも自分も必ずやっていることだったのですが、立場が変わればずいぶん気分も変わるものだということを実感しました。まるで余裕がないのです。僕としては直前にもう1回原稿を一通り読み直そうと思ってたところに「打合せ」を申し込まれて、もちろん通訳者としては当然のことなので、「では…」と始めたのですが、こっちも焦ってる中でのやりとりだったので、十分な応対をするのは難しかったです。「ひぇ〜事前に目を通す時間がな〜い!」状態で、いい経験になりました。
 質疑応答では、聞こえない方からたくさん質問をいただきとても嬉しかったです。
 今回は、長文の原稿になったのですが、「その日本語通じていますか?」の柴田武さんが書かれていたように、「事前に完全な原稿を書いておく」ことは本当に良かったと感じました。書いたものを読み直してみると論理的な矛盾や、論旨が曖昧な部分がすぐに分かって、ずいぶん書き直しました。くたびれはしたのですが、書いて検証するというのは本当に大切でした。

2004年6月20日(日)
26日通訳者養成講座・講義の準備(その2)

 あっという間に1週間前になってしまった。
 資料読みをしてから、いったん原稿を書き始めたのですが、どうもイマイチ。焦点を絞りきれないまま、時間が経ってしまいました。
 士仲間がいろいろメールくれたり、おはよう茨城の手話通訳反省会でやすらぎのSさんからアドバイスもらったり、「材料」は抱負にそろってきたのですが、どうも自分ながら「説教臭くなりそう」で、思考停止。
 そんな中、土曜日につくばの技短で行われている手話通訳者養成講座の2コースを見学して来ました。途中で講師が「見学の皆さんも何かアドバイスありますか?」などと振ってくれたのをいいことに、調子こいて「アドバイス」を話しました。
 「今日の学習の最初に”テーマ”について考えましたね。次に”話しの要点”を考えました。ところで、今、みんながやってくれた通訳で、少なくとも”要点”がろう者に届いたでしょうか? 確かに口調が早くてついて行けないとか、表現上の工夫ができないとか悩みはあると思いますが、まず何よりも大切なのは、必要な情報が聞こえない人にキチンと届けられたかどうかなんです。今回の話しはキャッチセールスについてで、聞こえない人が被害に遭わないように、あるいは運悪くキャッチセールスにつかまったとしてもすぐにクーリングオフできるように聞こえない人に最低限の情報を伝えなければなりません。それが手話通訳を担当する皆さんの責任なんですね。」
 大方このような「アドバイス」を発言しました。(実際には、もっと長々しゃべってしまって、あとで大いに反省しました。)
 例えば、悪徳商法についての講演会通訳を依頼された場合の「手話通訳者として心がけること」は、なんだろか? あるいはもっと具体的に、悪徳商法にひっかかってしまったらしいろう者が消費者センターなどに相談に行く通訳だったら…?
 こんな具体例から話しの「起」を作ってみようかなと考えています。
 当初は、市川さんや石原さんの書き物を下敷きにしようかなと思って原稿を書き進めていたのですが、どうもやっぱり受講生にとっては「雲の上の人の話」になっちゃいかんなと思って、もう少し身近なところから話しを組み立てなきゃなぁ〜などと考えているうちに週末も終わってしまった。ヤバイ…。

2004年5月28日(金)
6月26日(土)に通訳者養成講義を担当することに

 相変わらずなかなか書き込めないッス。このところ通訳者研修会とか士一次試験対策勉強会とかあれこれ面白いことが続いているのですが、なかなか「せたつむり」につなげられません。
 自分的にはまあまあ充実した毎日なのですが、やはり仕事が忙しいと平日はなかなか深夜にパソコンに向かおうという気力を維持できません。当たり前のことですが、「翌日の仕事に差し支えるから」と思って、メールチェックだけして寝てしまう毎日です。
 30代の頃は、結構連日2時くらいまで起きていても平気でしたが、最近はめっきり体力も衰える一方で仕事上の責任が重くなってきて、精神的なプレッシャーがきつくなっています。
 手話の関係でも、今年は頑張ろうと思って、通訳も積極的に引き受けるようにしてますし、通訳者研修会も最大限協力しようと考えています。ただ、それらの成果をもう少し「せたつむり」上で還元できると自分としても満足感があるのですが、なんか「今日はすっごい勉強になったぁ〜」とか「次はこんなことやろう」というアイデアが浮かんでも、それらを整理できないまま日々流れてしまっている感じです。
 そんな中、今度、6月26日(土)に茨城県手話通訳者養成講座応用クラスの講義を担当することになって、その内容について毎日考えています。メールで士仲間に相談したり、前に講義を担当したSさんにレジュメ頼んだりあれこれしてます。
 自分としてもある程度の講義案がまとまりつつあるので、この週末に是非第一次案をまとめたいと考えています。できれば「せたつむり」で原稿を掲載し、それをさらに推敲して、よりよいものを受講生に話せたらいいなと思っています。

2004年5月6日(木)
「おはよう茨城」手話通訳ビデオ収録

 今日は「おはよう茨城」の手話通訳ビデオ収録でした。天王洲にあるフジテレビ別館での撮影です。今日はサブ担当でしたので、自分がテレビに出るのではなく、メイン通訳者のSさんの手話通訳をサポートする担当でした。
 テーマが筑波研究学園都市の紹介で、カタカナの固有名詞が多かったり、宇宙開発関係の難しい用語がいくつも出てきたりで、すっごい大変な通訳でしたが、Sさんは落ち着いて通訳してました。
 撮影終了後、天王洲のうどん屋さんで反省会をやりました。僕はお金がなくて、「1000円以上のメニューしかなかったらヤッバイっすよ」と思いながら、810円のゴマだれうどん定食を食べました。
 夜、お疲れ様でしたってメールをいただいたのです。その中でSさんが「“心を伝える通訳になりたい”といつも願っているのに、今日はそれができなかった」と反省されていました。
 僕は「心を伝える通訳かぁ〜」と自分を省みて、大いにため息をついてしまいました。
 反省会で僕は、例によって「偉そうに」いろいろ反省の弁を述べまして、それに対してSさんから「ほんとに大切なことを教えていただきました。」とお礼のメールだったのです。
 でも実は、「オマエ、それ自分でちゃんとやってんのかよ!」と自分を叱り飛ばしたい気持ちです。今ハヤリの「うんちく」には長けていても「心を伝える通訳になりたい」という「謙虚な心構え」とそのために「誠実に準備・練習」をしていく「実行」が伴っていない自分を、”年取ったよなぁ〜”の一言で許してしまっている近頃の僕なのです。


 これが「つくばエキスポセンター」じゃあ〜!って、実は全然知らなかった。
2004年5月3日(月)
仕事と手話

 だんだん「せたつむり」に書くことも愚痴ばかりになってきています。
年を取ったということなんでしょうが、もう少ししゃんとしないといけないなぁ〜と感じています。
 仕事上の責任が重くなると共に、仕事を離れたときの精神的な切り替えができなくなってきています。以前だったら家に帰ったら、どんなに遅くても手話のことに集中できたのが、近頃はぐったり疲れてしまって「とりあえず体を休めねば、明日の集中力が維持できない」という発想になっています。
 また、お金の面でも自由度がかなり低下してきています。一番上の娘が高校2年で、やれCDだ、ベッドを買ってくれ、バイクも欲しいとか、要求が厳しくなっています。3ヶ月に一度は通学定期も買わなきゃいけないし、こっちの給料は下がることはあっても、増える可能性はほとんどないわけですから、どう折り合いを付けても手話関係に回せるお金が限りなくゼロに近づいているのです。
 僕は大学から東京に出てきました。最初は姉と一緒に住んでいたのですが、それでも毎月10何万も仕送りしてくれていた親に今さらながらに頭が下がります。今の僕にはとても真似できません。
 3つ目には、体力がなくなってきています。もう少し運動しなきゃなぁ〜とは思っているのですが、たまに取手のジャスコで買った「アブスローラー」で腹筋運動をやるくらいで、あとはさっぱり。大学のバスケットボール部の同窓会が毎年秋の学園祭の時にあって、「今年こそは体を絞って、参加するぞぉ〜」と思うのですが、すでに5月。体重が増えるのを押さえるのがやっとの状況です。
 などと愚痴ばかりこぼしていても、何も変わらないので、このゴールデンウィークを機会に気持ちを切り替え、手話も財政も体力も復活に向けて頑張るぞぉ〜!などと書いてみて、読み返して、やっぱりかなり無理あるなぁ〜とため息ついているわけです。


携帯で撮った写真は小さくて分かりにくいんで、これからはまたデジカメを引っ張り出して撮らなきゃなと思っています。
2004年2月16日(月)
市民運動の基礎体力

 実に今年度(平成15年度)初めて県南の定例会に出席。すでに「来年度の事業計画」について話し合われていました。
 その中で、定例会の開始時間が問題になりました。「7時では人が集まらないから30分遅らせてはどうか?」「でも、終了時間が遅くなるのは困る。」あれこれ議論があって、とりあえず「2時間できっちり終わらせるようにするということで7時30分スタートを試してみよう」ということになりました。

 定例会運営は、市民運動の基本だと思いますが、どこの手話サークルも「開始時間」問題には頭を悩ませておられることと思います。でも、これは、原則論を守ることでしか解決の道がないのではないかと思います。それは、物理的な問題をクリアした上で決めた開始時間は、必ず守る。たとえ二人だけでも「時間になったら定例会を始める」ことによって、遅れてきた会員個々の自覚が高まるのを待つより他ないのです。

 そうすると次に必要になるのが、定例会を2時間で終わらせるためのタイムキープという問題です。
 まず、現状の定例会の様子を分析し、長引いてしまう原因をキチンと紙に書き出してみます。どこに「無駄」といえる時間の使い方があるんでしょう。
 特に会議なんかどうなさってますか?
(眠い…つづく)


先日、日本手話通訳士協会の一泊研で訪れた甲府のホテルからの眺め
2004年2月15日(日)
春一番

 すんごい風が吹いています。春一番というにはあまりにも冷たくて、マフラー+帽子+手袋の完全防寒服に逆戻りです。昼間は暖かくてちょっと薄いジャンパーに着替え、「ああ、もうちょっとで春だなぁ」と思ったばかりなのに…。
 この週末は、なかなかハードなスケジュールでした。土曜日に第2回目の手話通訳士一次試験対策自主勉強会(「国語」)をやったのですが、木曜・金曜はその準備が深夜までかかってしまいました。それでも何とか勉強会の形は整えられてホッとしました。ただし、前回同様、一つ一つの問題内容にまで突っ込んだ検討ができず、過去問をやりっぱなしな勉強会になってしまいました。まあ、自分としても「月1回みんなで集まって、わいわい言いながら過去問やるだけでも勉強のきっかけになる」と思っているので、むしろ今回準備した過去問をベースにここから勉強を積み上げていきたいなと考えています。

 日曜日は1日中、宅建の「実務講習会」のための予備校に出席してきました。東京・水道橋にあるTACという学校なんですが、宅地建物取引主任者の資格を取得するために必要な「実務経験2年」の代わりとなる「実務講習」というのが今度3月上旬にあるのですが、その「実務講習」のための対策講座です。ぶっちゃけた話し、事前に予備校が答えを「指導」してくれるワケです。一日の講習で7000円、いい商売だと思いますが、一方で、資格制度として一流の証明なのかなとも感じました。手話通訳士資格も、金儲けのネタになって欲しいとは思いませんが、やはりみんながこぞって講習を受けに来るような内容の深さと広さを備えた資格になって欲しいなと思っています。そのためにも手話通訳士の身分保障がもっと高まって欲しいと思いますし、さらにはその前提となるのは、手話通訳士が厚生労働大臣認証資格(国家資格)になり、手話通訳士の設置が義務化されるような世の中にしていくことがとても重要なんだろうなとも思うのです。

 来年度の茨城県手話通訳士養成講座をどうしようかという話しが難航しています。士仲間でどうしようどうしようと議論しているのです、それぞれ仕事が忙しくて、士養成にかまってられないという状況もあります。さっきも書いたように茨城には専従の士がいないと言うことが、こうした混乱を招く根本的な原因じゃないかなと感じています。少なくとも各都道府県の県庁には、専従の手話通訳士を配置し、県下の手話通訳制度のスムーズな運用のキーマンになるような仕組みが必要なのではないかと思います。今のままでは、全体のレベルアップより前に、トップのレベルダウンが県下の手話通訳者全体のレベルアップを阻むような本末転倒した状況になりかねないと僕は思うのです。


会社の近くの遊歩道に咲いていた梅です。
2004年2月5日(木)
日本手話通訳士協会一泊研はとても勉強になりました。

 あっという間に木曜日ですが、土日に日本手話通訳士協会の一泊研修会に参加してきました。
 すぐに報告を書いてアップしようと思ったのですが、月曜に「おはよう茨城」の手話通訳録りがあり、すっかり疲れてしまってまだ書けずにいます。

 一言で言って「とても勉強になりました」
 特に政見放送の手話通訳についての山田京子さんの講演並びに実技指導は、憲法を土台にした参政権の理念についてのお話しに始まって、これまでの参政権を巡る運動の歴史的経過なども踏まえて、現在の参政権を取り巻く現状と課題について、実に具体的かつ実践に基づいたお話しを聞くことが出来ました。
 今年度は、年3回の一泊研修会を同じ講師が担当し、山田さんも今回が3回目の講演だったとのことですが、パソコンのパワーポイントを使ったビジュアルなプレゼンテーションもさることながら、やはり「現場で感じた」「交渉の中で悩んだ」「当日このように判断し行動した」というお話しは、私たち受講生の心にダイレクトに響いてきました。

 また、2日目には山梨県聴覚障害者情報提供施設のご配慮により、実際にテレビカメラの前に立って模擬通訳練習をさせていただくことができました。
 政見放送手話通訳は、カメラに録ってなんぼのもんだと思います。どんなに手が早く動いても、あのテレビ画面のワイプを通して見た聴覚障害者から理解できなければ全く意味をなしません。
 視線のやり場が安定しなかったり、難解な政治用語に表現にとまどったり、実際にカメラの前に立つからこそ理解できることをいろいろ学ぶことが出来ました。

 本当はお昼までの研修だったのですが、午前中のビデオ撮りが長引いたために、午後に食い込んでさらに議論を続けました。山田京子さんを通じて政見放送の現場の様子を実感できたことももちろん勉強になりましたが、それ以上に山梨県の皆さんの勉強熱心な様子にこちらも大いに元気づけられた研修会でした。


日本手話通訳士協会
小椋英子会長

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