新聞切り抜き帖
1999.12.03.(金)読売新聞ニュース速報
著作権審議会報告
著作権侵害の損害賠償を考慮、上積み可能に…著作権審
「放送の音声内容を字幕化する『リアルタイム字幕』は自由化が適当。」これはNHKのニュース字幕に限って対応した措置ですね。
一方で、視覚障害者関係では「点字データのコンピューターへの蓄積、ネットワークを通じた点字データの提供を自由に認める。」とのこと。
例えば、私たちがボランティアで聴覚障害者向けにニュースを文字化して配信することなどについては、「リアルタイム以外」はまだ認められないということだと思います。
どうしてこういう差が出てしまうのでしょうか。
<記事の要約>
著作権審議会(会長=北川善太郎・名城大教授)の第一小委員会がまとめた著作権侵害にかかわる損害賠償の規定の見直しなどに関する報告案の内容が二日、明らかになった。 著作権侵害事件について〈1〉損害賠償額が著作権料と同額となっている現行制度を改め、事件の具体的事情を考慮した額の上積みを保証する〈2〉法人に対する罰金額の上限を個人に対する罰金額の上限より高くする――などを求めている。障害者の権利制限の見直しも提言した。報告案は今月中旬に文化庁に提出される。文化庁は来年の通常国会に著作権法改正法案を提出する方針だ。 (中略) ◇ 著作権審議会がまとめた報告案の主な内容は次の通り。 1 権利の執行・罰則 (1)文書提出命令の拡充 著作権侵害事件で、侵害行為の立証のため必要であれば、営業秘密等が記載されている文書でも裁判所への提出を義務付ける。 (2)計算鑑定人制度の導入(略) (3)具体的事情を考慮した使用料相当額の認定 損害賠償額は、侵害者が著作権料と同額を賠償すればよい現状を改め、具体的事情を考慮した「相当」の使用料を認定する。 (4)弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づいた相当な損害額の認定(略) (5)法人重課の導入 法人等業務主に対する罰金の上限額を、行為者に対する罰金の上限額(三百万円)より高くする。 2 障害者の著作物利用にかかわる権利制限規定の見直しについて (1)視覚障害者関係 点字データのコンピューターへの蓄積、ネットワークを通じた点字データの提供を自由に認める。 (2)聴覚障害者関係 放送の音声内容を字幕化する「リアルタイム字幕」は自由化が適当。 3保護期間の延長等 (1)保護期間の延長について プログラムやデータベースの著作物等は社会全体の技術発展の観点から長期間の保護になじまない。 (2)写真の著作物の保護の復活について(略) |
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