新聞切り抜き帖

1999.11.29.(月)読売新聞(毎週月曜日掲載)

「こころ模様」福島智(1) 指点字で星空満喫

久しぶりに福島さんの名前を見かけた。福島さんは盲ろうの・・・何と書いたら良いんだろう?
う〜ん、やっぱ盲ろうのオッサンかなぁ。写真入りのエッセイだ。スゴイ。まさか連載じゃないよね。
福島さんとは「盲ろうチャリティコンサート」のお手伝いをしたことで少しばかりご縁があった。舞台で福島さんのお話しを手話通訳した。
彼は、盲から「ろう」に進んだため手話を知らない。音は聞こえないけれど、発話(喋ること)は可能なので、福島さんの発言を聞いて僕が客席の聴覚障害者に手話通訳したわけだ。
ちなみに「盲」なので僕の手話は彼には見えていない。福島さんは指を点字キーに見立てた「指点字」という独特の(最近はずいぶんメジャーになってるのかもしれないけど)方法で、周りからの情報を受け取る。
福島さんのことを書き出すとキリがないので、「渡辺荘の宇宙人」(素朴社)または「盲ろう者とノーマライゼーション」(明石書店)をお読みください。

<記事の要約>

えー、何と書いたらいいのか? エッセイなので・・・。
書き始めは「廊下にお香のにおいが流れている。同僚の一人が、自室で線香をたいているらしい。その向こうからは、レギュラーコーヒーの香り。コーヒー好きの別の同僚がいれているのだろうか。いつも朝の早い彼のこと。これでもう、今朝は何杯目だろうか。」

盲ろうの福島さんにとって、周りの様子を伺い知るのは「におい・香り」なんですねぇ。朝の光も隣の部屋の物音も聞こえない世界、それが「盲ろう」。なんていちいち解説していたらエッセイの良さも何も台無しって感じしますね。やめとこ。

まあ、要するに何気ない日常生活の1シーンを描きながら「盲ろう」について紹介してしまう。福島さんが「全国盲ろう者協会理事」として世間に「盲ろう」への理解を広げている一面だと思う。「盲ろう」者福祉の向上に果たした彼の功績は偉大なものがある。広告塔と言っては大変失礼だけれど、誰にでも分かりやすい言葉で「盲ろう」者への共感を生み出す彼の筆力には、いつも感心させられる。

でも、チャリコンで会う福島さんは、やっぱ「ただのオッサン」なんだよなぁ。う〜ん、やっぱ「要約」になっとらんナ。

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