新聞切り抜き帖
2002年7月24日(水)毎日新聞朝刊
自殺者統計:
経済・生活苦が動機 過去最高の6845人
昨年の自殺者が3万1042人(前年比915人減)と4年連続で3万人を超えたことが24日、警察庁の集計で分かった。経済・生活苦が動機とみられるのは6845人(同7人増)で、統計を取り始めた78年以降で最も多く、長引く不況の影響を反映している。
昨年の自殺者は男性2万2144人、女性8898人。年齢別では60歳以上が1万891人で約35%を占め、50歳代7883人▽40歳代4643人▽30歳代3622人と続き、中高年の割合が多かった。職業別では、無職1万4443人▽サラリーマン、公務員などの被雇用者7307人▽自営業4149人▽主婦・主夫2705人など。
動機で最も多いのは健康問題の1万5131人で、経済・生活問題6845人▽家庭問題2668人▽勤務問題1756人▽男女問題743人▽学校問題227人と続く。前年より増加したのは、経済・生活問題だけだ。
経済・生活問題は10年前の91年は1660人だったが、97年には3556人にまで増えた。長引く不況やリストラが深刻化した翌98年に6058人に急増し、その後、漸増を続けている。
自殺者は98年に3万人を突破し、99年には過去最高の3万3048人に達した。00年からは微減となっているが、3万人台が続いている。 【大坪信剛】
[毎日新聞7月24日] ( 2002-07-24-22:14 )
▲自殺の記事を読むたびに、僕は、亡くなられたご本人より、残された方たちのことを考えてしまう。
▲毎日新聞のこの記事には「社会面に関連記事」とあり、それは「自殺者4年連続3万人 背景に中高齢のうつ病」という記事だった。そして、厚生労働省が昨年度初めて自殺防止対策費5億6600万円を計上し、「いのちの電話」を中心とした相談体制の整備や自殺防止対策の実態調査を進めている、とのことだった。
▲でも、自殺防止対策と同じくらい大切なことは、生きて残された者の「その後の人生」をどうサポートすることじゃないかな、と思う。
▲僕は最近思うのだけれど、人間は誰しも「有限な人生」しか生きられない。しかもその長さは誰にも予測できないし、ましてや調節などできない。長いのが良くて短いのが良くないのかも、実はよく分からないけれど、「限られた人生だからこそ、今頑張らないでどうする、今を生き続けなくてどうする、生きている我々が懸命に生きなくてどうする。」と思うのだ。
▲残された方々の気持ちを思うと、かける言葉なんてあるわけないけど、一つだけ「生きよう」と言いたいのだ。これからの人生は大きな悲しみを背負って歩いていくのものとなるかもしれないけれど、それでも「前を向いて生きよう」って言いたい。置いてゆかれたという喪失感に呵(さいな)まれるかもしれないけれど、「自分の人生を埋めていくのは、自分しかいないのだから、自分の人生を歩いていこう。」と言いたいのだ。