イベント報告

「施設班」第1回学習会

99.09.12(日)14時〜16時
雑司が谷社会教育会館(山手線目白駅下車15分)
主催;東京都手話通訳問題研究会「施設班」

 労働班の第1回の集まりの時には、参加者2名=スタッフのみ、と聞いていたので、覚悟はしていたのですが、ナント9名の方がご参加くださり、何とか第1回の学習会を終えることができました。嬉しかったです。参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。これに懲りず第2回目も是非ご参加ください。

1.自己紹介

 中野区の方が4名、新宿1、豊島1、練馬2、応援に来てくださった支部役員が品川1、私が世田谷1という構成でした。
 予めお電話をいただいた方が1名。施設職員で、たましろの郷の「施設としてのあり方」に関心があり参加くださったとのこと。心強い援軍です。
 そのほかの方は、みなさん、「たましろの郷」のことを知りたくて、という方々でした。

2.どうして今「施設班」なのか?

 第1回目と言うことで、取りあえず、どうしてこの「施設班」を立ち上げることになったかを私からお話ししました。

 (1)きっかけ・・・全通研討論集会(岐阜集会)第13分科会

今年の冬の全通研討論集会(岐阜集会)で、第13分科会『聴覚障害者施設』に参加しました。
京都いこいの村や大阪なかまの里の職員が参加しており、介護保険の導入を目前に控えて様々な問題提起をされ、たいへん勉強になりました。
また、助言者であった埼玉県の河合理事長は、「この分科会は、これからの聴覚障害者福祉を考えていく上で大変重要な分科会になる。是非、地域での議論を深め、全国の仲間の知恵を出し合うような分科会に育てて行っていただきたい。」と挨拶され、大いに感激しました。
そこで短絡的な私は、『ゼッタイ東京にも第13分科会班を作って来年の埼玉集会では東京からレポートを出そう』と思った次第です。しかし、言うは易し行うは難し、何から始めたものやら、どんな方法が良いのやら暗中模索中です。
そこで「施設班」設立を皆様に呼びかけ、取りあえず集まって始めてみよう、と考えた次第です。

こんな風に考えて「施設班」を作りたいと思いついたのですが、スタートまでには、ちょっと時間がかかりました。
まず、全通研東京支部(東京都手話通訳問題研究会)の役員会へ企画書を提出せよ、ということになって、急遽次の書類を作成しました。

 (2)東京支部への企画書提出

1. 活動の趣旨
 聴覚障害者施設「たましろの郷」設立を目指して、手話通訳に関わる仲間として、『何かできることはないか、何かしなければならないことはないか』を考えていく。

2. 当面の活動目標
 「東京における聴覚障害者施設設立運動(たましろの郷を中心に)の現状と課題」について、今年度の関東ブロック集会、埼玉討論集会でのレポート発表を目指す。

3. 主な活動内容(テーマ)−順序・方法などは未定−
 ・ 第13分科会の過去2回の討論内容の振り返り。
 ・ 全国の聴覚障害者施設及び建設運動の現状
 ・ ふれあいの里どんぐりに学ぶ施設建設運動のポイント
 ・ ろう重複者共同作業所かたつむりの現状と課題
 ・ たましろの郷建設運動の現状
 ・ たましろの郷と社会福祉法人格取得問題、第2種社会福祉事業、情報提供施設などについて

 でも、書いて見て、改めて自分の中で「何か自分のやりたいことと違うなぁ」って引っかかりがありました。それで、どうにも準備が進められなくて、かたつむり作業所の花田さんの所に押しかけました。

 (3)共同作業所かたつむり所長 花田さんの話し(8月28日(土))

企画書を読ませてもらった。なぜ「施設」なのか?
支部として考えることは、もっと別にあるのじゃないか?
今、施設は全国に3箇所しかない。全国の集会で施設の問題を議論してしてしまうと、施設のない地域の参加者はついていけないという矛盾が起きている。

施設の問題は、「全国ろう重複障害者施設協議会(会長・野畑晃いこいの村栗の木寮所長)」で扱うテーマだ。施設の抱える4つの課題があり、それについての専門的な議論が起きている。しかし、我々の関心は「どうしたらろう重複の作業所を作れるのか」「共同作業所の運営は、どうしたらいいのか」という問題だ。

では、「共同作業所」の問題はどこで議論するのかというと、それは11月13日〜14日に大阪で開かれる「第3回全国聴覚障害者福祉研究交流集会」だ。

つまり、施設の問題も共同作業所の問題もそれぞれ専門的な議論の場がすでにできているということ。支部ではもっと違う視点から取り組みをして欲しい。

それは、何か? 地域から、ろう重複を支えるということだ。あなたの地域にろう重複者はいますか?未就学で手話も分からないようなろう者はいますか?ろう者でも養護学校を卒業して地域の福祉作業所などに通っている人がいる。彼らが職場でキチンとコミュニケーションを保障されているかどうか知っていますか?
彼らは手話通訳士が手話通訳しても、恐らく分からないだろう。

私も、かたつむりの仲間の言ってることが理解できないこと、まだまだある。どうしたら彼らと通じることができるのだろうか?それは手話が下手でもいい、もっと日常的な関わりの中からコミュニケーションを図ることだ。

地域で「ろう重複を支える」ということを支部はもっと考えて欲しい。何ができるか?それを施設班で取り組んでみてはどうだろうか?

・・・そんなこと言ったって・・・。たんぽぽ辞めちゃったし・・・。まいったなぁ。
さて、どうしようか? 「施設班」準備は、すっかり行き詰まってしまったのです。

3.さて、どうしようか?(問題提起、そして、話し合い)

 散々悩んだ挙句、取りあえず出来ることから勉強を始めようと思いました。
 そこで後半は、まず、「かたつむり」と「たましろの郷」建設運動の歴史を振り返ることから始めました。「たましろの郷」建設運動の歴史は、該当ページを参照してください

(1) とりあえず「たましろの郷」の歴史を振り返る。 ⇒資料2「年表」(略)
(2) 「たましろの郷」を取り巻く諸団体を知る。 ⇒資料3「関連図」(略)
(3) 花田さんから提起された「地域からろう重複を支える」という視点について、
みんなで考える。
  ・手話通訳者として
  ・手話サークル会員として
  ・かたつむりボラとして
(4) 今、私達に何ができるだろうか?(フリートーク)
  ・地域のろう重複者の掘り起こし
  ・地域でろう重複者をどう支えるか?
  ・「たましろの郷」建設に向かって地域でできることって何か?

 でも、やっぱりフリートークって難しいんですよね。なかなか盛り上げられず(私は司会に向いてないのです。自分で勝手に喋るのはできても、人の話しを引き出す、なんてできない!)
 「難しい言葉なんかを誰でも分かりやすく、説明できたらいいね」とか、「制度の仕組みや名称について、基礎的な知識を得たい」というような声が聞けたに留まりました。
 参加した皆さんはもっといろいろ言いたいことあったと思うのですが・・・。

4.取りあえず、「学びつつ考えていこう」(施設班 今後の取り組みについて)

 「かたつむり」そして「たましろの郷」建設運動の歴史を振り返り、さらに関連諸団体について知っていただく中で、少しはこの運動への理解を深めていただけたでしょうか?
 今後については、「じゃあ早速、施設班に入って活動しましょう!」という雰囲気の方もいらっしゃらなかったので、取りあえずは、次回からは講師をお呼びしてのテーマ別学習会形式でしばらく続けてみようということにしました。

【テーマ案】・・・仲間たちのライフステージを考えながら

テーマ(案) メモ・講師候補など
・ ろう学校へ上がるまでの仲間達(親の話し・子育て) 参考書「出会い この瞬間を」
・ ろう学校の重複学級のこと(教育関係者) 杉並ろう学校・杉山先生
・ 学童クラブかたつむりのこと(職員の話し) 小梛さん(かたつむり職員)
・ 共同作業所ってなんだ? 参考書「みんなの共同作業所」
・ かたつむり作業所の仲間達(職員の話し) 鈴ケ嶺さん(かたつむり職員)
・ かたつむりボラの話し 参考書「ずーっと だ・い・す・き」
・ 東京ろうあ者更生寮(今、何て言うんだっけ?)のこと 映画「音から隔てられて」
・ ろう運動とろう重複障害者 矢野耕一さん

【考える視点】は、
住んでる「地域で」支える、それらの各「地域から」の力を結集して東京全体で支える、ということにしたいと思います。

5.次回は?

 支部ニュースに載せた原稿が間違っていた上に、日程の変更を行います。
 支部ニュースには「第2回9月24日(日)」とありますが、「10月24日(日)」の間違いでした。そして、10月24日と言えば「かたつむり文化大交流会」!
 ワレ、ナニ何考エトンジャアー状態になってしまいました。本当に申し訳ありません。延期します。
・・・ということで、

第2回「施設班」学習会は、

11月7日(日)14時〜16時まで
会場は、同じく雑司が谷社会教育会館
行います。
皆様、お誘い合わせの上、ご参加ください。
講師については、決まり次第、またご案内します。

 どんなテーマで勉強したいですか? こんな講師を呼んで欲しい、あんなテーマはどう?などありましたら、ご意見・ご要望をお聞かせください。予算の都合もあり(自主財源はありませんので、講師を呼ぶような場合は、参加費の負担をお願いしようと考えています)、誰でもOKという訳にはいきませんが、一生懸命「値切ってお招きする」努力をしたいと考えております。ご連絡お待ちしています。

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