<参考 ; 一般の通訳者の場合の資料についての考え方>
イカロスMOOK2002『通訳者・翻訳者になる本』P108
”通訳のマナーファイル −知らないと損する通訳の常識”より
「仕事前の常識」
■資料が支給されないときには、自分で調べて準備
通訳は語学力があればできるというわけではない。語学力プラス知識が必要になる。つまり、語学力があっても知らないことは訳せないのである。
そこで、通訳者は通訳する内容について、できるだけ「知らないことがない」という状態を整えて通訳に臨む。資料をもらって事前に勉強をするのである。
資料に目を通すだけでなく、わからない単語や専門用語をチェックし、用語集を作っておく。過去に同類の仕事をした経験があれば、そのときの資料や用語集にも目をとおす。会議やセミナー、シンポジウムの通訳をするときには、スピーチ原稿をもらって、一読しておくのが理想だ。
通訳の仕事をよく理解しているエージェントの担当者はこのあたりを踏まえてスピーチ原稿や資料を送ってくれるが、わかっていない人が担当になったり、スピーカーそのものが原稿や過去の論文などの資料の提供を拒んだりすると、いつまでたっても送ってくれないこともある。
仕事の10日前になっても何も来ないときには、エージェントに電話して資料をリクエストしよう。通訳の前日、あるいは当日こ資料が渡されたときは、あきらめないでできる限り最後まで資料を読もう。
また、どうしても資料が送られてこない場合は、自分で関連図書を購入するか、インターネットで主催者や関連機関のバックグラウンド、スピーカーのプロフィール、関連の論文などサーチしておくとよい。
※太字・色つけは木下
木下コメント ; ここには、事前に資料を読んでおくのが「通訳者のマナー」だと書かれています。
手話通訳者の場合、事前に資料を読んでおくのが「マナー」なのかどうなのかは、ろう者と通訳者がキチンと話し合って、お互いに「マナー」だと認め合うことがまず大切だと思います。
そうでなければ、「通訳者だけの常識」、「ろう者だけの常識」となってしまうと思います。
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