イベント報告

かたつむり「夏だ!海だ!内房総で遊ぼう!」

1999年8月20日(金)〜22日(日)
千葉県安房郡鋸南町「保田海岸」

参加者;今回は仲間23名(かたつむりとしては4名の仲間が不参加とのこと)、親14名+家族・親戚8名、職員10名、ボラ7名の62名とのことだった。
さすがに8月後半に休暇を取って参加できるボラってなかなかいないんだなぁ、と感じた。2日目から参加というボラも数名。
僕なども「もう夏休み使い切っちゃったぞ、どうすんだよ」状態で参加しているから他のイベントに比べるとボラが少ない、という印象もあった。
しかし、実際には、国分寺にあるJR鉄道総合研究所(正式名称は今度調べておきます、スミマセン)の方達と鋸南町のみなさんの全面的バックアップで、なかなか充実した3日間だった。

 <昨年の九十九里浜海水浴に引き続き、本年もまた「かたつむり」作業所の暑中休暇が終わり、学校の夏休みももう少しで終わるっていう8月20日から2泊3日の予定で、千葉県内房総は「保田海岸」で大いに遊ぼう!っていう計画です。>
 と、チラシの冒頭にあるとおり、2回目のかたつむり海水浴。そう言えば去年は、スイカの差入れをしたなぁ。

 ボーナスもらったばかりの頃で金もあったし、比較的仕事も落ち着いていたので、「よっしゃ参加するぞ」と早々に決めたは良かったが、あれから1ヶ月半。金は底を尽くし、会社では仕事のスケジュールに赤信号が灯るし、その上、労働組合の書記長を引き受けることになって、ドタバタ忙しいしで、ハチャメチャな状態での参加となってしまった。
 まあ、いつものことだけど・・・。

<主なスケジュール>

20日(金) 11時30分東京駅を特急”さざなみ11号”を「1両貸し切り」で出発。
これは、JR鉄道総研&国立駅のご協力をいただいて実現したとのこと。
ナント国立駅の助役さんも保田まで同行してくださった。
13時保田駅着。早速現地の宿泊所の方々のお出迎え、駅には「ようこそ、かたつむり」の横断幕まで!こりゃスゴイ。
1日目の宿は、東京都障害者休養ホーム指定「安房もとな荘」
目の前すぐ海だし、小奇麗でなかなかイイゾ。
早速記念写真。(僕はカメラは持って行きません。カメラ持ってると客観的になっちゃって、楽しめなくなるので)
着替えも早々に海へ。
僕は1対1ボラ。列車の中から、おしゃべりしてきて、一緒に海の中へ。
でも、だんだん盛り上がってくると、「やっぱ海では女の子と一緒なのがサイコウだぜ」って感じで(もちろん仲間が!僕のことではありません。)次第に僕と離れて勝手に女の子と戯れてる時間がメインに。
まあ、その考えには僕も大いに賛成なので、僕も、仲間の居場所だけ頭に入れて、ノンビリ波に揺られてた。
夜は「もとな荘」で夕食交流会。
ここには鋸南町の助役さん(?)も登場。町を挙げての大歓迎だった。
僕は3人部屋で宿泊。
一緒に飯食って、一緒に風呂入って、一緒に寝るのは、お互いの理解のためにとても大切なことだ。
どれも基本的生活習慣の一部だから、仲間がどんな時にシンドイ思いをするのか、どんなサポートを必要としているのかが、肌で感じられ、自然に助け合うことができる。

<2日目、海また海で楽しんでしまった>

21日(土) 朝食後、早速海へ。
保田の海岸は、とても遠浅。千葉にこんな良い海岸があったなんて全然知らなかった。
我々が泳いだところは、特に波が穏やかで、安心して泳ぐことができた。
朝方少し曇っていたが、すぐに晴れてきて一日海水浴を楽しめた。
お昼はうどん・とうもろこし・トマト・きゅうり。
お碗につゆだけもらって、大きなザルに盛った冷たいうどんをすする。堪らなく美味い。
大きなバケツに入れた水にでっかい氷を浮かばせて冷やしたトマトときゅうりの美味いこと美味いこと。
そして、甘〜い茹でとうもろこし。ただでさえ水着のウエストがきついのに、ついつい食べ過ぎてしまった。
この日は「工作教室」としてトーテムポールを作った。
最初は、ただの丸太が2本。削ったり、磨いたり、色を塗ったり、かなり悪戦苦闘。
でも、最終的に出来あがったものは、確かにトーテムポール。素敵な出来映えだった。
この日の宿舎は3つに分散。やはり8月の土日に「もとな荘」の貸し切りは不可能だったらしい。
「磯部荘」「祖母荘」「写真館」なんか名前だけ書くと「大丈夫かぁ?」という感じだったが、そのうちの僕が泊まった「磯部荘」の庭で夕食交流バーベキュー。
「ふ〜ん、なかなかヤルなあ」と思いながら宿に着いた私たちを待っていたのは、「まずカマド作り」の重労働だった。
「なんだよ全然準備できてないじゃないか」とブツブツ言いながら、結局夕食タイムの大半は「ホタテ焼き」と「鉄板焼き」担当で過ごすハメになった。
それでも最終的には「美味いんだなこれが」で終わってしまうのが、何とも言えずかたつむりのいいところ。
汗タラタラ流しながら焼いたホタテは美味いし、海で日焼けした肌を上焼きするような遠赤外線(炭火だった)で焼いたお肉や野菜は、おいしいというより「嬉しい」味がした。
ビールを飲んだんで、仲間のことなど何も考えずにそのままバタンキューで寝てしまった。
この日は、大部屋にすし詰め状態で、部屋も暑かったのか、なかなか眠れない仲間が多くて職員はたいへんだったらしい。知らなくてスミマセン。

 僕なんかも、大学のバスケットボール部の合宿で鍛えられるまでは、他人と一緒に寝泊りするのは大の苦手だった。
 会社に入り、労働組合の「学習会」と称した泊まり込みの宴会などでさらに鍛えられ、今ではたいていのところで寝られるようになったけれど、仲間達が慣れない宿で、しかも狭い部屋に雑魚寝状態、その上、あまり仲の良くない仲間同士なんかもいて、興奮して眠れないのは当然だよね。
 一泊目の「もとな荘」は部屋も4人部屋で、空調も利いてて良かったけど、民宿は辛い。
 
 話しは飛ぶけど、長い時間を共に過ごすことになる「施設」作りにおいて、「部屋」ってとても大切。プライバシーと仲間の安全をどうバランス良く考えるのか?
 ボラや職員が同室に寝ているわけじゃない中で、仲間のサポートはすごく難しいだろうし、職員の大きな負担だ。どこの施設も夜間は50名の仲間を数名で担当していると聞いている。
 住みやすい部屋作りと充実した人員配置をどう実現していくのか、福祉予算がどんどん切り詰められている状況の中で、知恵の出しどころだと思う。

<3日目、今日は泳がないつもりだったのに>

22日 全身真っ赤っかで、「今日は大人しくしてよ」と決意して宿を出たのに、海を見ると黙ってられません。
仲間達がどんどん海へ出て行くのを見ちゃうともうダメ。
結局、1時間半も海に入って遊んでた。
11時から、地引き網。
けっこう力いるんだこれが。60名で一生懸命網を引いて、ずいぶんたくさん獲れた。
魚の名前はサッパリ分からないが、タコが3匹(どうやって数えるの?イカは「杯」だよね?漢字違う?)いて、早速カマ茹でしてお昼に食べさせてもらった。
14時半保田駅から「さざなみ16号」で無事東京へ。のつもりが車中、仲間の一人が熱射病になってちょっとした騒ぎに。
「ホレ見たことか、昨日一日中あんなに思いっ切り焼いてんだもん、焼き過ぎだよ」と他の仲間達と笑って見ていたのですが、「具合の悪い時」って仲間たちはたいへんだよな、って改めて考えた。
目をつぶっちゃうと手話見えないし。口で喋ることは苦手な仲間がほとんどだし、何よりも、自分の病状を的確に伝えることが苦手というのが、一番の「困難」だよね。

<感想> 

 前回の関東のつどいの感想は<うまく言えないけれど「満足感だけが残った」関東のつどい>だった。実は、今回も「満足感で心が一杯だ」
 私自身が一番楽しかった、と感じられるイベントに参加できたことを幸せに思う。
 仲間一人一人の名前もかなり覚えた。
 仲間一人一人への理解が「少しだけ」深まった気持ちになれたのも嬉しかった。
 
 こんなに楽しくて、ボラっていったい何なんだろう?と思った。3日目、海をぼんやり見つめながらゆったりと心が流れているのを感じた。
 職員スタッフはそれなりにトラブルなんかもあってたいへんだったのだが、僕個人はボランティアという立場で、十二分に楽しませてもらった。
 ボランティアって、何かを「手伝うもの」じゃないな、と感じた。

 確かに手助けの必要な仲間もいるけれど、それよりも、、共に楽しい旅行をしたという事実だけだ今僕の心の中に残っている。
 「せたつむり」もそんなサポートを目指したい。何かして「あげる」のでなく、いつも「一緒に楽しむ」、そんな企画を考えていきたい。

 準備や当日のあらゆるトラブルに奔走していただいた職員の皆様に心からお礼を言いたい。

「のんびり楽しかったデッス。ありがとうございました。」

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