イベント報告
1999年7月2日(金)に大井町のきゅりあん小ホールで見た。
このポスターに書かれているセリフは、いったい誰が誰に向かって話した言葉だと思います?
「だって、君はひとりで勝手に何かをやってゆくことなんて出来ないだろう?」
主人公の遠藤滋さんは脳性マヒで寝たきりの重度障害者。
東京・世田谷のマンションで一人暮しを続けている。
24時間体制での介助者によるサポートを受けながらの生活。
この映画は、遠藤さんと延べ千人を超える介助者たちとの活動の記録。
5月16日 新潟新報より
どんな生き方をしたところで、人はお互いに助け、助けられて生きていく。だから、自分を偽らず、ありのままに生きてこそ、お互いを生かし合える。
遠藤さんは身をもってそう語り掛ける。
なんだか不思議な映画だった。
カメラワークがとても素敵で、気に入った。バックにずっと水の流れる音(波の音かな)が聴こえるのも良かった。
障害者の日常生活を描いている、という重さが無くて、淡々と日々の暮らしがスクリーンに続いた。
映画の中で目に付くのは、むしろボランティアとして遠藤さんの元に集まる介助者達の方。
「どうしてこんなに多様な人間が彼の元に集まったんだろうか?」と思うほど、様々な人間模様が交差している。
ポスターのセリフは、そんな彼らに対して遠藤さんが語りかけたものだ。
「支える者が支えられている」そんなことを、ごく自然に感じさせてくれる素敵な映画だった。
11:00〜<1回上映>ただし、7月31日(土)のみ17:00〜<1回上映>
電話03−5452−1400「シネマ下北沢」小田急線、井の頭線下北沢駅下車5分
スズナリ横丁2階