手話絵本「ゆび一本からはじめる手話1〜7」

(ぽぷら社、編集と文;嶋田泰子、監修;木下耕一)7冊セット価格17,500円


第1巻 なあんだ?

以前、取材を受けたことのある嶋田泰子さんから「手話の絵本を作りたいのだけれど、監修してくれる人を紹介してくれないか」との話があったのは、1995年だったろうか? 僕は全日本ろうあ連盟やら東京都聴覚障害連盟とかの連絡先を教えたんだけど、結局「最初から企画に関わるような形でないと協力はできない。単なる監修はできない。」と断られたとのこと。当時は「確かに手話の本を作って一儲けしようなんて人はいくらでもいるだろうから、全てに監修なんて言ってられないわな。」と思って、それきりになっていた。

その後、嶋田さんが体調を崩されたりして、話は立ち消えになったものと思っていた。ところが97年に「さあ、作るわよ」って話になって、結局、僕自ら「手話チェック」を担当することになったのが、このシリーズ。(98年4月刊行)

「学校図書館用」のハードカバーのついたゴッツイ絵本で、1巻2500円もする!

嶋田さんは、僕が貸したダンボール箱2つの手話関係の本を入院先のベッドで読破し、構想を練ったそうで、「子ども向けテキストではなくて、手話の絵本を作ろう!」という企画になった。

1巻おおわだ みすず(大和田 美鈴)、2巻とよた かずひこ(豊田 一彦)、3巻長崎 訓子(ながさき くにこ)、4巻佐藤 真紀子(さとう まきこ)、5巻いとう みき(伊東 美貴)と、各巻を著名な絵本作家やイラストレーターが担当し、絵のたっぷり入った楽しい絵本ができあがった。

僕は、描き上がったゲラをチェックして、分かりにくいところを校正する役目。けれども、日程がかなりきつくて、後半は、昼間FAXで届いた原稿を、会社から帰宅後チェックして、夜中にバイクで校正原稿を届けるような展開だった。
イラストって、やっぱ二次元(平面)なものなので、特に絵本を描くようなタイプの作家の先生に「もう少しリアルに」とお願いするのは、かなりの厚かましいお願いだったと思う。

どれくらい売れたのかは知らないけれど、最近は新宿の紀伊国屋書店など大手書店に単品で置いてあることも。内心かなり嬉しかったりしてる。だって自分の名前の入った本だよ!嬉しいよね。

第2巻 おはよう 第3巻 だいすき 第4巻 あそぼう 第5巻 いくる? 第7巻 手話じてん

第5巻「うたおう」は、荒川区の伊藤輝光さんが監修されました。

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