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映像機材を使いこなせるスタッフも必要不可欠
手話通訳者の養成に必要なこと(その1)
■土曜日の手話通訳者養成講座では、ビデオ画面を見て行う模擬通訳を行った。いわゆる統一試験の場面別問題と同じやり方だ。
準備した機材は以下のとおり。
1.DVDプレーヤー(問題DVDを再生する。私のはソニーのポータブルタイプ)
2.DVDを映すためのプラズマテレビ(これは技大の大型のを借用)
3.ビデオカメラ(日立のHDタイプ)+三脚
4.ビデオカメラで撮った映像を映すためのプロジェクター(プラズマテレビは1台しかないのでこれも技大のを借用)+スクリーン(今回はホワイトボードを代用した。)
5.そして、これらをつなぐAVケーブル(赤・白・黄色の3本のやつ)と講師の席とちょっと離れているのでその延長ケーブルも間に使っている。この場合はAVケーブルと延長ケーブルをつなぐアダプターも必要になる。
6.もちろん電源を確保するための電源タップコードも2本用意した。
■ケーブルをつなぐのも大変だけれど、きちんと映像が映って、音声が出るように配線するのもそれなりに工夫が必要なのだ。
まず、DVDの出力はプラズマテレビだが、ビデオカメラの音声も出したいときには間にビデオデッキをかませている。これはビデオカメラの出力先がプロジェクターだと音を出せない(プロジェクターにスピーカー機能がついてない)場合があるので、仕方なくDVDとビデオカメラの両方をいったんビデオデッキのライン1(入力1)とライン2(入力2)へつないで、ビデオ入力(具体的にはチャンネル)で入力1と入力2を切り替えプラズマテレビに出力するわけだ。
特にビデオ撮影した受講生の通訳の様子を再生してチェックする場合には、本当はDVDの映像と同期させて一緒に再生できると良いのだが、これはなかなかタイミングをそろえるのが難しい。
模擬通訳ならその場面全体を撮影しておけば済むが、ビデオを見ての通訳だと受講生は画面に向かって座っているので、ビデオ画面と一緒に撮っておこうと思っても無理なのだ。そこで再生の時に、正面から撮った映像だけだと、読み取りの場面でろう講師は「口ぱく」映像だけを見ながらチェックすることになってしまう。通訳スタッフがいれば読み取り部分はその通訳スタッフがろう講師に向かって通訳することになるだろうけど、聴者講師1名ろう講師1名の状態だと結局聴者講師が通訳を兼ねなければならなくなって、肝心の読み取りのチェックができなくなってしまうという矛盾が発生する。これは機材の問題とは別の問題なので別の項目で書きたいと思う。
■そして、案外忘れがちなのだが「機材さえそろって、ちゃんとつながっていれば良い」というわけではないことだ。つまり「操作方法を理解して、自由に機材を扱えること」が必要なのだ。映画を見るのと違ってただ最初に再生ボタンを押して、見終わったら停止ボタンを押せば良いというだけでは済まない。
一人の通訳練習が終わったら、ビデオカメラの撮影を停止し、かつ、DVDの再生も停止させ、さらにはDVDは最初に戻しておく必要がある。この「映像を最初に戻す」という作業においてDVDは画期的なのだが(以前のDVテープの場合は「巻き戻し」となって頭出しがとても面倒かつ時間のロスが大きかった。)、それでもリモコンのボタンがわからない講師は少なくない。さらには受講生を撮影したものを途中で止めるための「ポーズボタン」や、そっからちょっとだけ戻してみたり、進めてみたり、究極的には「スロー再生」も使いこなせるようになりたいところだ。
■また、別の問題として、これらを会場で準備するには30分早く会場に入る必要があるし、30分遅く帰らざるをえないことも(もちろんこの1時間は謝金には反映されないことにも)留意しておく必要がある。

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